報道は、カルロスゴーン氏一色だ。
しかし、私は日本のマスメディア(特にテレビ)の論調が大いに気にかかる。私がよく比喩で出す「子供のサッカー」だ。ボールのあるところにザーっと集まる。
功罪両面があるはずなのに、全てが悪かったかのように責め立てる。まるでいじめだ。私のように当時ビジネス界に居た人間は、リアルタイムで日産の再生を目の当たりにしている。
日産リバイバルプラン発表~2005年辺りまで、ゴーン氏が日産の立て直しに専念し、コミットメントを果たしていた時の功績は事実だ。増してや自分を投げうって心血を注いだことに偽りはない。血税を食いちらかして適当なことをやり続けている日本政府の愚かな政治家連中とはわけが違うのだ。
系列やしがらみといったことにメスを入れたゴーン氏の手腕は、日産自動車のみならず、日本の他企業や産業界全体にも好影響を与えたことも忘れてはならない。
その上で、「罪」の部分は別に論じるべきだ。その際も、“寿司屋でいくら使った”などという話はどうでもいいし要らない。公費(血税)を不当に使ったわけではないからだ。マスメディアの報道は、そこを一緒くたにしているように思えてならない。ゴーン氏の飲み食いや住まいに血税は投入されていないことを認識しておくべきだ。
それを言うなら、永田町の能無し政治家連中の料亭通いや贅沢な暮らしぶりを糾弾すべきだ。あれは公費だからだ!